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店舗案内

ニジマス釣り なぜ釣れるのか

昨日は朝早くからニジマスを釣りに行った。

管理釣り場だからだれでも釣れる、はずである。

 

しかし、数十人の太公望がいたが、

ほとんど釣れていない。

 

ま、にわか釣り人も多く、

竹の貸し竿で、赤と黄色のウキのついた

簡素なしかけのひともいたから、

あれじゃむりである。

 

八王子の山奥にあるこの釣り場は

水もきれいで魚も焼いても

まったくいやなにおいがしない。

 

わたしは、渓流竿を用意し、

糸も0.6号という、管理釣り場では

すこし細めを使った。

 

そして釣り方はもちろん脈釣りである。

脈釣りというのは、ウキをつかわず目印だけで

餌をしぜんに流れにまかす釣り方である。

 

そのメリットは、じぶんの好みの深さに

餌をながすこともできるが、

デメリットは、ずっと竿をもちつづけなければ

ならないことである。

 

餌はブドウ虫とマグロの切り身をつかった。

朝8時から、モンジ君という若者と合流して

釣りはじめるが、けっこう難儀して、

なかなか釣れない。

 

清流なのでどこに魚がいるか

一目瞭然で、その鼻先に餌を流しても

見向きもしない。

 

で、なんどか流して

やっと二三匹がかかってくれた。

モンジ君はやはりのどの奥まで餌を飲み込まれ、

あくせく針をはずしていたが、

さすがにベテランのわたしは、

ニジマスの口元に針が刺さり、

さっと取れた。

 

ウキの釣り師たちは、ほとんど釣れていない。

 

昼過ぎから下流に行ったら

広い釣り場にモンジ君とわたししかおらず

貸し切り状態である。

 

ひどくおおきなニジマスがいる。

ブドウ虫をながしてもかれは睥睨するだけで

ネグレクトする。

 

ひょっとして、と、わたしはマグロをつけてみた。

と、どうだ、むこうからすうっとやってきて

きれいにマグロを捕食した。

 

わたしはそうやって、

そこにいるヌシを三匹もつりあげることができた。

モンジ君がふしぎそうに、何で釣れるんですか、

と訊いてきたから、マグロだよ、って

答えたが、マグロはほとんどヌシ以外は

見向きもしない餌なのだ。

 

むつかしいものである。

しかし、その大物を釣るときに

もっとも使っていた竿が折れたことは残念であった。

 

 

昼過ぎに雨がつよくなったので

わたしたちは納竿して帰った。

帰り際、釣り人の前を40センチを超える

エモノをぶらさげて通らなければならないから、

みなの羨望の目にあった。

 

「どうして釣れるんですか」と

「大きいな」という声、声。

 

 

わたしは凱旋将軍のようなふるまいで

釣り場をあるいたのだ。

 

 管理釣り場の職員からも

どうしてこんなに釣れるんですか、

って訊かれたから、「みなさんのほうがご存じでしょ」と

答えたが、むかし、職員の方がたが

ウキをはずして釣ったほうがいいと

案内していたことを思い出し、

けっこううそのことをいうものだと

おもったのだ。

 

釣果は17匹、そんなにたいしたことはないが、

ほかのひとたちは

2匹も釣っていないから、その差は大きかった。

 

モンジ君は9匹だった。