妻とは毎週火曜日、
近所のスーパーに車ででかけるのが
習慣となってしまっている。
妻と息子と猫は三階に住んでいるが、
わたしは、ここ15年来一階に立て籠っている。
一人暮らし生活は、
もちろん、洗濯も炊事もひとり、
風呂もひとりで沸かして入っている。
が、生活費は別にわたしているものの、
どういうわけか、一週間の買い物だけは、
わたしの財布とわたしの車が必定らしい。
一週間分なのか、
アメリカの主婦の買い物みたいに
カートいっぱいに買うので、
だいたい毎週1万円はかかるのだ。
生活費は別であるが、と
さきほどももうしたが、ここは
やはり確認しておかなければならない。
で、わたしがキャベツの千切りのパックを
買おうとカートにいれると、
「うちも買っていい?」と妻がきく。
「え、うち?」とわたしが訊き返すと
すこし妻は笑う。
そういえば、まだ娘が家にいたころは
ケーキは4つ買っていた。
うちは五人家族である、念のために、
きょうは、くしくも2月3日だから、
訊いてみた。
「今日、恵方巻だな」
「だから、買うよ」と妻。
「え、買うの」
「そ、ひとつだけね」
「え。ひとつだけ。みんなの分は?」
「恵方巻は個人の問題だから、
あなたはいらないでしょ?」
「はい? 恵方巻って個人の問題?
個人ではなく、家族の問題じゃないのか?」
「ちがうわよ、個人」
ふーん、恵方巻は個人の問題という事情を
今日、はじめて知ったのだ。
「七草かゆは、みんなでしているけれどね」
と、妻はぽつりと言った。
恵方巻などそんなに好みではないが、
恵方巻のしきたりも七草がゆと
おんなじカテゴリーにならないものか、
と、財布から万札をだしながら、
わたしは、そうおもったのだった。
