店主日記
店主日記

欠陥

 店に軽い声の電話がきた。

「わたくし、〇〇会社の〇〇ともうします」
と、この会社名も、人名もわすれた。

「はい、わたくしは、ホームページを
お持ちの店舗さんの集客についての
はい、お手伝いをしている会社でして。
オーナーさんはいらっしゃいますか」

「あ、わたしですが」

「はい、さようですか。いまお時間よろしいですか」

「はい、すこしなら」

「はい、お店にたくさんのお客様が
来てくださることはよろしいですよね」

「ん、まあ、そうですね」

「それで、そのご説明にあがりたいとおもうんですが、
はい、すこしお時間とれる日、ございませんか」

「あの」

「はい、なんでしょうか」

「それってお金かかることですよね」

「はい、かかるのと無料のとございまして、はい、
そのご説明にもあがりたいのですが」

「えーとね、あなたたからは、たぶん、わたし
どんな、いい条件のものでも、うんと言わないとおもいますよ」

「そーですか。お客さんが来てくれて
迷惑ってことあるんですか」

「いえ、そういうことを言っているのではなく、
あなたの話し方には決定的な欠陥があるんです。
だから、どれだけご説明いただいても
あなたの提案には、乗れません」


「はい、そうですか。ところで、
わたしのどこがいけなかったのでしょうか」

「そんなこと言えないよ。
もし、教えて欲しかったら金をもって
わたしのところに来なさいよ」

と言うところの「もし・・」あたりで、
その若者は、「そうですか、失礼します」と言って、
さっさと電話を切ってしまったのだ。


決定的な欠陥を教えてあげようとしたのに。